冷凍睡眠装置の自動解凍機能によって、私は目を覚ました。
ここは自動航行する恒星間宇宙船の船内。私は宇宙探検隊の隊員。
しかし、窓の外に広がる光景は宇宙空間ではなかった。
宇宙船は波打つ青い海の真ん中に浮かんでいた。
どうやら、何処かの惑星に不時着してしまったらしい。

私はコンピュータで惑星の位置を確認し、そして絶句した。
ここは、私の故郷の星だった。どういうことだろうか。
遥か宇宙の彼方を目指していたはずの宇宙船は、
途中で折り返して故郷の星に戻ってきてしまっていたのだ。
私は落胆したが、一方で安心もしていた。
見知らぬ星に不時着したのなら救援は期待できないが、
故郷に帰ってきたのなら救援が来るはずだ。

私は通信機で救難信号を発信した。
ところが、どういうわけか反応がない。
たとえ海の真ん中であっても、信号は何処かの都市に届くはずだ。
そうすれば、たちまちのうちに救助に来てくれるはずなのに。
私の脳裏に嫌な可能性がよぎった。

亜光速で移動する宇宙船の船内は時間の流れ方が違う。
私が宇宙船で過ごした時間は大して長くないが、
この星では長い年月が過ぎ去っているのだ。
もしかしたら、文明が滅びていたりするのではなかろうか。
いや、そんなはずはない。こちらに気づいていないだけだ。
そう信じて私は繰り返し信号を発信した。

そうして、どれくらいの時間が経過しただろうか。
私の焦りが頂点に達した頃、
水平線の彼方から飛行物体が接近してくるのが見えた。
やった。救助が来たのだ。
私は船外に出て目立つように大きく腕を振った。
その飛行物体は随分と原始的な構造をしていた。
どうやら私が宇宙に居る間に文明が後退したようだ。
救助に来るのが遅いのも頷けた。

さて。飛行物体からロープが垂らされ、乗組員が降りてきた。
その姿を見て、私は奇妙な感覚に囚われた。
乗組員は、今まで見たこともない生物だったのだ。
しかし、その口から漏れた言葉には聞き覚えがあった。
酷く訛ってはいたが、私の故郷の言語に間違いなかった。
乗組員は私の姿を見て、こう言った。

「謎の電波の発信源を確認せよという命令で来てみれば……
 宇宙船らしき物体と……猿……?」

人気ブログ 2008/04/28 ショートショート TB(0) CO(3)

ショートショート/ショートショート/ショートショート/ショートショート

亜光速で宇宙空間を移動してる間に、

人類滅びた→新たな生物が進化した→飛行機とか作れる高文明を築いた

その新しい生物目線だと、

人間≒猿

という解釈で大丈夫ですか?


タイトルから主人公が猿だろうと予想していましたが、読み始めると主人公は人間のようですし、盲点を突かれました。


[2008/04/29 09:34] 是非(元愚玖) [ 編集 ]

感想

猿の惑星を短くした感じに見えますが。

[2008/04/29 17:59] starcompassat2005(小説サイト) 星定規 [ 編集 ]

「猿の惑星」から着想を得ました。

[2008/05/04 08:29] ペンギン666 [ 編集 ]

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