雨降りしきる街。私は傘を差すこともなく、アパートメントの自室に帰ってきた。
玄関のドアを開けてキャリーバッグを部屋の奥に押し込む。
ドアの鍵を掛け、カーテンを閉じて、明かりもつけぬ、薄暗い部屋。
家具類は必要最小限しかない広々とした部屋。
部屋の中心に置かれた、一見何の変哲もなさそうなキャリーバッグ。
大きさは子供がすっぽり入れるくらい。
このバッグに何が入っているかといえば――ふふふ。

私はジッパーに手を掛けた。
中の荷物に引っかかり中々スムーズにいかない。
力をいれたら抓む部分が取れた。
面倒なので無理やり引き裂くようにして開けた。
キャリーバッグの残骸から転がり出たのは、まだ幼い少女だった。
金髪碧眼。円らな瞳。柔らかそうな唇。細い四肢。煽情的なデザインの服。
やあ、バッグの中は苦しかっただろう。ごめんよ。

じゃあ、ベッドに連れて行ってあげよう。
私は彼女の軽い身体を抱きかかえ、ベッドの上に優しく下ろす。
私は彼女の顎を軽く押させて、柔らかそうな唇に自分の唇を重ねる。
彼女の口内に舌を入れて絡ませる。彼女はされるがままだ。
彼女に抵抗する力はない。二つの瞳は虚空を見つめている。
私は彼女の胸を軽くさすってみる。眉を顰めることもない。
彼女の胸を強く揉む。彼女は悲鳴のひとつもあげない。
人形。まさに彼女は人形のようだった。

それでも私は彼女を愛していた。
私は彼女と生活を共にし、何度も夜の営みを繰り返した。
それが彼女の身体に多大な負荷を掛けているなんて
気にしていなかった。けれど、その日は訪れた。彼女は腐り始めたのだ。
口内の汚れもさることながら、膣や子宮はもっと酷かった。
私は思い切って手術することにした。
口内は洗浄で済ませ、腐敗している膣や子宮は切除した。
さすがにこれはもう使えない。バラバラにして捨ててしまおう。

問題は残った身体だ。
相変わらず無表情だが、容姿は美しい。
このまま部屋に飾っておくだけでも良いが。
食べてしまいたいくらい可愛らしい。
そうだ。食べてしまおう。

私は彼女を解体した。解体は思いのほか簡単だった。
頭、胴、右手、左手、右足、左足。まずは大まかに切断する。
まず、手や足の指をバラバラにして、フライパンで炒めて食べてみた。
チキンみたいで美味しかった。私は他の部位も食べつくすことにした。
とはいっても、流石にこの分量は一度には食べられない。
私は何日か掛けて彼女の肉を食べた。手足まるごと炭焼きで。
肋骨カルビも。肝臓。尻の脂肪。でも、一番美味しかったのは脳かな。

骨が残っていたが、簡単に粉々になるように加工されている。
砕いて下水に流してしまうだけで大丈夫だった。
彼女が被っていたゴム製のフェイスマスクだけが残った。
私はマスクを抱きかかえて呟いた。ごめんよ。食べちゃって。
でも、いずれは賞味期限だったんだよ。

……。

近未来。様々な高性能代用食品の発明により、肉食は廃れつつあった。
そこで食肉業界が考えたのが、食肉を材料とした等身大美少女フィギュア
「ミートロイド」の販売である。

人気ブログ 2008/05/31 ショートショート TB(0) CO(5)

ショートショート/ショートショート/ショートショート/ショートショート

恐い怖い恐い!!!…Σ(゜Д゜;
殺人者が減るような気はしますけど…

[2008/05/31 09:26] 梨月 [ 編集 ]

感想

本当の人間でなくてよかった。

以上。

[2008/05/31 13:20] starcompassat2005(小説サイト) 星定規 [ 編集 ]

気持ち悪い・・・・

[2008/06/01 18:32] (;´Д`) [ 編集 ]

この作品を書いたときは異常な精神状態にありました。

[2008/06/02 20:46] ペンギン666 [ 編集 ]

初めまして♪

初めて読ませていただきましたがとっても面白いです(o'∪^o)

[2008/06/20 16:18] えりか [ 編集 ]

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